こんにちは!
管理人のやっすんです!
コンポーザーの仕事は作曲からアレンジまでがトータルである、
このことは大体の方がイメージできるのではないでしょうか。
しかし、コンペやインディーズアーティストの作編曲であれば、
自身でミックスまで手がけることが少なくないでしょう。
特に、コンペは締め切りまでの時間がかなりタイトであるケースが多いですね。
管理人もコンペに参加するときは、
締め切り前日の夜にボーカルデータを貰った後
翌日の朝までにボーカルエディットを済ませてミックスをすることがあります。
インディーズアーティストも、管理人はミックスまで請負い
ボーカルエディットまで行っています。
もはやアレンジャーの仕事の一部に入ってるといっても
過言ではないと思います。
(勿論メジャーは専門のエンジニアがいますよ!)
さて、今回から数回に分けてボーカルエディットのコツについて
詳しく書いていきたいと思います。
このボーカルエディットは管理人が事務所時代、特に鍛えられた分野で
自信を持ってお話できますので是非お読みいただければと思います!
●完璧なボーカルは殆ど無い
以前の【AutoTuneとMelodyne使うならどっち?】の記事でも触れましたが、
完璧に歌を歌える歌手の方は殆ど居ません。
その大体はエンジニアの手によってピッチ修正、タイミング修正が施されており
音源を聴くだけでは修正箇所が分からない程精密に調整されています。
ボーカルエディットは、ボーカルにお化粧を施すのと同じと考えて頂ければと思います。
「全部編集できるのだったらボーカロイドと変わらないじゃん!」
しかし、ボーカルエディットは「あくまで」お化粧程度で、
実物が良くなければどんなにお化粧をしても良くはなりません。
ボーカルエディットで大事な作業は
レコーディングから始まっています。
●理想のテイクを思い浮かべる
まずはレコーディングで最高のテイクを録らなくてはいけません。
それはピッチ、リズムの正誤ではなく
完成したときにどうなるか
を考える必要があります。
歌手の個性や歌い方、ニュアンスなど、
編集で得られない「歌として」最高のテイクを
レコーディングで録ります。
そしてもう一つ、最高のテイクが作れたとして
それが前後関係など含めて編集可能かどうかも判断しなければなりません。
どんなにピッチがずれていても、リズム感が悪くても
編集可能な範囲であれば構いません。
ダイヤモンドの原石を探す作業がレコーディング
だと思ってください。
●作業時間について
次に、ボーカルエディットの作業時間についてです。
管理人がエディットにかける時間ですが、
コンペ曲だとどんなに時間をかかったとしても
・コーラスやハモ(人工ハモ)を1時間以内
合計で3時間以内には終わらせるようにしています。
また、プロフィールで紹介した「太鼓の達人」の場合だと、
ワンコーラスの曲ですが
ハモ、コーラス……1.5時間
最終調整……2時間
合計6時間くらいで作業した記憶があります。
- コンペは合計2.5h
- 完成曲は合計5.5h
同じワンコーラスで3時間も違うのは
・完成曲は違和感が無いよう丁寧に作りこむ必要がある
このような考え方の違いによるものです。
デモに時間を使いすぎても勿体無いだけなので、
時と場合によって作業時間を考えるようにしましょう。
●作業の泥沼に嵌らない
ボーカルエディットで最も気をつけなければならないのが
編集をしすぎないことです。
編集をするとボーカルは良くなっていきますが、
修正を躍起になって行ったが為に、結果として
ボーカルの素材を壊してしまう可能性があります。
化粧も、厚化粧をしすぎると「ケバい」と言われますよね。
それと同じで、編集もやり過ぎは禁物です。
しかし、いきなり適度なボーカルエディットをするのは難しいので
できれば分かる人に見てもらった方が良いでしょう。
とはいえ、周りにそういうのできる人が居ないという方の為に
次回から具体的なエディットについて触れていきたいと思います!