こんにちは!
管理人のやっすんです!
プロ御用達メーカー「Universal Audio」
を皆さんはご存知でしょうか?
ハードだとApolloシリーズ等を取り扱っており、
どちらかというとプラグインで有名なんだと思います。
Universal Audioのプラグイン「UAD Audio Plug-ins」は
一つ一つが物凄く高価なプラグインですが(1176が$299します……)、
そのクオリティは圧倒的に高く
数多くのエンジニアが好んで使用しているんですよ!
このUniversal Audioは年末に
プラグインの大幅なプライスダウンキャンペーンを実施しています。
で、管理人は昨年末に思い切って
プラグインを3つ購入しました!
購入した中で最も気になっていたのが
「EMT 140」と呼ばれるリバーヴのプラグインです!
早速使ってみると……これが凄かった!!
今回の記事は、UADのプラグイン「EMT 140」を主軸に
他リバーヴのプラグインと比較してみたいと思います!
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●伝説の名機「EMT 140」
このEMT 140はドイツの「Elektro Mess Technik」社が
1957年に開発したリバーブです。
実機「EMT 140」について詳しく書かれたサイトがありますので
詳しい内容は引用させて頂きたいと思います。
EMT 140の実機では、鉄板の端から音を出してプレートを振動させ、反対側の端に設置されたピックアップで振動を拾うという構造になっています。鉄板の大きさは2メートル×1メートル程度。
サウンドは重厚であり、滑らかで自然な残響が特徴でボーカルなどに使用されることが多く、60〜70年代まで世界中のスタジオで使用されてきました。
つまり、世界中のアーティストが使用している
お墨付きのリバーヴということですね!
後、他に有名なリバーヴは「Lexicon 224」でしょう。
大きなレコーディングスタジオへ行くと、
大体目にするのはLexicon 224だと思います。
何故今回EMT 140を選んだかというと、
クラシカルなリバーヴの響きを求めたときに
EMT 140の方が適していた為です。
●EMT 140,Renaissance Reverb,IR-Lで比較
今まで管理人はRenaissance Reverb(以降R-Verb)
を中心に使っていたのですが、
次にコンボリューションリバーヴの「IR-L」を使いました。
IR-Lはシドニーのオペラハウス等の
ホールリバーヴを再現するリバーヴで、
R-Verbと比べてオーケストラの響きに近かったので
IR-Lを入手後はこちらに乗り換えました。
その後2016年末にEMT 140を購入し、
現在ではEMT 140をオーケストラ音源の時に
必ずといって良いほど使用しています。
リバーヴで音がどう変わるのか、
文面だけではどうやっても伝わらないので
実際に聞き比べてみたいと思います!
簡単なピアノソロの曲を例にしてみます。
こちらが何もリバーヴをかけていない音源になります。
Renaissance Reverb
R-Verbのデフォルトプリセットで、
-10dbでSendしました。
悪くないのですが、あまり奥行きのない響きがします。
リバーヴィーなサウンドにしたくない場合とかだと
こちらの方が良いかもしれません。
後は、すっきりさせたリバーヴが欲しい時、ですかね?
管理人はオーケストラのホールのような響きが欲しかったので、
このプラグインだと少し厳しいのかな、と思いました。
IR-L
IR-Lのプリセット「Concert Hall-SOH」で
-10dbでSendしました。
R-Verbと比べると奥行きのある、
よりコンサートホールらしい響きを得ることができました。
出だしの高音部は音が輝く感じがして良いのですが、
やはりデジタルな響きと言いますか
ピアノに空間を足してみた、という編集的な響きになっています。
EMT 140
EMT 140のプリセットで
-12dbでSendしました。
奥行きのある響きは勿論、何が一番良いのか。
それは残響の解像度だと思っています。
-10dbで送るとリバーヴの効きが強すぎるので
-12dbにしましたが、これでも十分過ぎるくらいの響きですよね!
もしかすると、巧くディレイをかけると他のリバーヴでも
同じような残響感を出すことができるかもしれません。
しかし、細かな設定や調整をしなくても
これほど繊細で豊かな響きが得られるのであれば
簡単で良いですよね。
●大体のジャンルをカバーできるリバーヴ
さて、聴き比べをして
EMT 140の響きがどれほど豊かなのか
何となくでも分かって頂けたのではないかと思います。
管理人は、このEMT 140を初めて使った時
あまりにも響きが良いから1時間も
ピアノを弾いて遊んでしまいました……
EMT 140さえあれば他に何も必要ない、
そう思えるかもしれませんが
EMT 140にもデメリット的なものはあります。
皆が使っているので、同じ様な響きになる
これはメリットでもあるのですが、
よりクリエイティブなサウンドを作りたい方や
普通とは違った響きを作りたい方だと向いていないのかもしれません。
UIが分かりにくい、パラメーターが難しい
EMT 140のインターフェイスは以下の画像になります。
R-VerbのUIだとEQがグラフィックで描かれてあり
見た目で分かりやすかったのですが、
EMT 140はパラメトリック・イコライザーと同じ作りになっています。
ある程度ミックスに慣れた人であれば
そんなに難しい内容ではないのかもしれません。
パラメトリック・イコライザーを使ったことがない人にとっては
取っつきにくいインターフェイスかな、と思いました。
UAD-2が必須
意外とこれが大きいかもしれません。
UADのプラグインを動かすためには
UAD-2のシステムを組み込む必要があります。
UAD-2のシステムは
PCIeボード、Apollo等のハードを接続しないと
扱うことができません。
その為、高いプラグインに加えてハードも揃えなくてはならいので
敷居が若干高いと感じてしまうでしょう。
以上、EMT 140について詳しく書いてみましたが
いかがだったでしょうか?
ここまで読んでいただいた方には、
EMT 140がどれほど素晴らしいプラグインか
分かって頂けたのではないかと思います。
もしサードパーティー製のリバーヴで悩んでいたら、
UADシステムを導入する事が必要ですが
EMT 140を管理人は強くお勧め致します!
他のプラグインを買ってからEMT等のプラグインに手を出すくらいなら
最初にEMTを買って使い込んだ方が良いと思いますよ。
特に言えることは、制作のモチベーションが上がるので
是非とも取り入れてみて下さいね!