周波数からアレンジを確認する

こんにちは!
管理人のやっすんです!

一度アレンジを完成させて聴き直したとき、
「なにか物足りない気がする……」
と思うことはありませんか?

これは管理人もよく感じることで、
その大体がミックスをすることによって解決します。

特に3ピースバンドのような最小限のトラックで構成された楽曲の場合だと
あまりにも響きが薄くて不安になるかもしれません。
(これは管理人が触れてきた音楽の影響かもしれませんが……)

さて、今回は最後までアレンジを終えた後の確認として、
周波数からアレンジを見直すことについて
記事にしてみたいと思います!


●周波数から音域の穴を探る

楽曲の周波数を探るには、
プラグインで「アナライザー」を使う必要があります。

アナライザーは楽曲の周波数を可視化することができ、
どの帯域が膨らんでいるのか、或いはしぼんでいるのかを
視覚的に把握することができるので便利です。

プラグイン系のEQで
縦:音量
横:周波数
のグラフを見ることがあると思いますが、
アナライザーはそのグラフ上に楽曲の周波数を表します。

特に音に影響することはないのですが、
プラグインによっては遅延が発生する場合があるので
これを挿したまま制作をすることは控えた方が良いでしょう。

●どのアナライザーを使えば良いか

アナライザーには様々な種類がありますが、
使いやすければ何でもいいと思います。

管理人がよく確認に使用するツールは
CubaseMixConloseにあるEQです。

ざっと周波数を確認するくらいであれば
MixConsoleでも大丈夫ですし、なんといっても軽い
上述したように、マスターチャンネルへ挿して使うと
遅延が起こる可能性があるのですが、
このMixConsoleのEQは気になるほどの遅延を感じさせないので
管理人としては便利なプラグインだと思っています。

本格的なミックスをするのであれば
wavesの「PAZ Analyzer」を管理人は使っています。

このプラグインはLRで周波数を確認できるだけではなく、
音の定位まで確認することが出来る大変便利なツールになっています。

●アレンジの穴が見つかった場合

では、このアナライザーを通して
気になる部分の楽曲を聴いてみましょう。

理想的な周波数として、
以下のグラフの赤線が良いとされています。(チープですみません)

周波数のグラフ

青の範囲はアナライズされた(と仮定した)周波数を指しています。

大体の楽曲は、青い範囲に近い周波数になると思います。

物足りないアレンジの場合
どこかの帯域がしぼんでいる状況が多く
こもったアレンジの場合
どこかの帯域が変に膨らんでいる状況が多いでしょう。

しぼんでいる帯域

アナライザーを通してしぼんでいる箇所を発見したら、
リズムトラック以外の全トラックを開いて
次の項目を確認してみてください。

・しぼんでいる帯域を弾いている楽器は何か
・コードの場合はボイシングが適切かどうか(そこだけ音が無いか等)
・他の楽器のボイシングでカバーは可能か

※ボイシングとはコードの音の積み上げ方のことです。

この場合、おそらくボイシングに不適切な箇所が多いと思います。

膨らんでいる帯域

では、逆に不自然な膨らみ方をした箇所を見つけた場合は
どうすればいいのでしょうか?
単純で、上記の萎んでいる場合の逆をすればいいのです。

・膨らんでいる帯域を弾いている楽器は何か
・コードの場合はそこだけ音が密集していないか
・不要な楽器が入っていないか

倍音が豊かな楽器は密集させると響きが濁り、
帯域が変に持ち上がる傾向にある
と考えています。

例えば、ストリングスは密集させるよりも
広く展開した方が豊かな響きを活かす事ができます。

また楽器の前後関係と、楽器が得意とする音域なども考えて
音を削ったり、時にはばっさりとカットした方が良くなることもあるでしょう。

●客観的且つ視覚的に確認する

以上のように、アナライザーを使えば
何故その部分が変なのかを視覚的に把握することが可能です。

アナライザーを通す目的は

・周波数という客観的な要素で楽曲を確認する
・聴覚上の違和感を視覚データで確認する
・そして視覚的に解決策を講じる

以上のことだと思っております。

これが分かってくると、アナライザーを使わなくても
経験値から修正をすることができるようになります。
そして、楽器の性質等が分かってくる為
最終的にはアレンジの速度向上にもつながるのです。

アレンジの段階でミックスもある程度進めておけば、
完成音源に比較的に近いラフアレンジを作ることが出来ます。
このことは【アレンジしながらミックスする】でも紹介していますので
是非チェックしてみてください。

しかし、これはあくまで一つの方法論であって、
アナライザーから感覚を養うのと同時に、
最終チェックは必ず『自身の耳』でするようにしてくださいね。

シェアする

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

フォローする